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うたむげ5話目のふりかえり

年末に更新してそのままお正月休みを挟んでしまって腰が(略)だったので、もう遠い昔のような感覚ですが、「泡沫に紡げ」5話目について色々と語っておきます。

…という書き出しではじまる記事が、最終更新日:3月1日で下書き状態になっていました。そのまま夏になったあげく、もう6話目も終わってますが?!

今更感がただよっていますが、この際なのでちゃんと最後まで仕上げました!
前回のお話を思い出しつつ読んでください。


「泡沫に紡げ」第5話
〜別れの日の空はあんなにも青く〜
サブタイトルから、誰と誰との話題だろう…?とざわざわしていただいた回です。
いろんな別れはありましたが、空が青かったのは翊羅と虹瑠との別れの日だったのでした。



信頼できる上司の甫豆回も死んじゃったし、確実に死が待ち受けてることも宣告されて、行き場のない不安と苛立ちを抱えた人々の捌け口にもされ……からの、虹瑠大暴れ!
だったので、もしかしなくてもあそこのシーンのイメージが…一番強かったんじゃないかなと…思います 笑

加減ができないんだ

というわけで。
それっぽい力を使えるらしいぞというフラグだけは立てつつも10年間謎に包まれていた虹瑠の『魔法』は、肉体強化系だったということがこんなところで判明しました。
1〜3章では「どうやら魔術師らしい」ということだけは明言されつつも何ができるのかずっと不明だったんですよね。
どうやらシンプルに本人が(物理的に)強くなるタイプのようです。

傷口や病気の回復・死者の蘇生はできないくせにこんなことができてしまうあたり、『魔法』はとても胡散臭いですね。
蘇生はまあともかくとして、肉体の強化なんて体組織の活性化みたいなものだろうし…回復と似たような現象なんじゃないかなって感じなんですけどね!


ちなみにこの魔法なんですが、術者本人にかけるんじゃなくて、部下にかけて自分の身を守らせるのが本来の使用法らしいです。『契約』とセットにして使う感じで。

星亜あたりが現場にいたら「そういう使い方をするものじゃない」ってツッコミをいれたんじゃないでしょうか。
「えっ…なに自分から殴りにいってるの…?そういうのはプロに任せないとダメじゃん…(ドン引き)」みたいな。(釐於子「お前が言うなよ」)


虹瑠は、魁嘛や釐於子みたいにちゃんと職業として「戦う」ための方法を学んできたわけではないので、ケンカに関してはまったくの素人です。
なので、人の殴りかたはもちろん攻撃のかわし方も知らなくて、全部まともにくらってるんですよね。
あーあ…

とはいえ、暴れ出すとそれなりに大変なことになるので、1章の依守弥はこの時命拾いをした気がします。

血闘の虹瑠

このシーンとかも、勠南の『魔法』で制止してなかったら殺●クマさん大暴れになってたんじゃないかな…
(ツェルテが止めてたような気もしますが)



この世界において「魔術師」という肩書きは、免許みたいなものなので。
「昔、魔法を覚えたんだけどもうここ100年以上使ってないし、今はもう管理職じゃないし勝手に使ったことがバレたら処罰されるだけだし、特に使う用事もないから黙っとこ」みたいな感じで名乗ってない人は他にもいると思います。

ペーパードライバーのまま、免許の期限が切れたから車には乗らなくなっちゃった人…みたいなものですかね?(ちょっと違う?)
もしくは、銃が許可されてる国で、使い方は知ってるけどそう簡単には撃たない人みたいな…??いい例えが出てこない!

長年大きな戦争とかは起きてないということになってる世界観なので、平時から人間相手に魔法を使ってガンガン戦ったりはしないんですよね。
こっそりよからぬことに使ってる人はいそうですが。

◆◆◆

5話目は虹瑠回のようなものでもあったので、もうちょっと補足します。
(長くなりそうなのでこのあたりで小休止しておいてください)

待っての虹瑠

施薬院が暴徒たちに囲まれた、このとき。

本当に暴力のみで解決したいんだったら、わざわざ声なんてかけないで不意打ちで彼らに殴りかかって、問答無用で拳で叩きのめしておけばよかったんです。
その方が無駄に殴られることもなくて、ダメージも少なかったでしょうし。スカッとしそうですし。(?)

でもあえてそれをしないで、話し合いもおそらく無駄なんだろうなというのもある程度「わかったうえ」で、まずは真正面から相手の出方を伺う…というのが、虹瑠的には重要だったんだと思うんですよね。


虹瑠は、『王国』末期に社会に対して色々と失望することがあって、既存の秩序に一石を投じようとした(そして失敗した)側の人間です。
でもだからといって、決して秩序そのものを否定していたわけではなく。
あくまで、永遠に続く世界において、その状態を維持しようとする人々の無意識から生まれた歪みに対して危機感を抱いていました。

強硬手段をとりつつも、本人もそれが最適だったとは思ってなかったんじゃないかな…と。

最期までわからなかった


そしてその秩序は、虹瑠の行動とはまったく別の次元で、原因すらわからずに崩壊しはじめます。
これまで自分たちが当たり前のように享受していたはずの安心も安定も平穏も、すべてがよくわからない謎の力のようなもので壊れていきました。

『空腹』という現象が広まりはじめてからの虹瑠は、もうずっと感情がぐちゃぐちゃだったでしょうね。
旗を焼く焼かないでためらっていたのが生ぬるく思える規模で各地で反発ムードが高まって、社会はどんどん勝手に崩れていって。

「いっそこのままなにもかもめちゃくちゃになって滅びてしまえ」という気持ち。
「こんな世の中を求めていたわけじゃない」という気持ち。
何もわからず、ただただ抗えない変化を恐ろしく思う気持ち。
混乱の中でも親しい人々が危険な目にはあって欲しくないという気持ち。
それぞれが同時に、頭の中で混ざり合ってうずまいていたんじゃないかなと。


なにもかも終わりにできる

みんな死んでしまえばすべて終わりにできるのに…と思う気持ちも、粲歌と名付けた新しいちいさないきものに生き抜いてほしいと願う気持ちも、どっちも嘘じゃなかったと思います。
人の心は、矛盾している気持ちが両立するものなので。


そして、力を持たない者が守られるためにはなんだかんだで秩序が必要です。
(秩序という概念も幅広いので何をさすのか難しいところですが…この場合は公的な手段による治安維持でしょうか)
それも理解していました。

ゆえに、この状況下で自分からそれを揺るがすようなことは、できるだけしたくないと考えていたんじゃないかな…。
一歩間違えると、法なんてお構いなしに相手を叩きのめしたほうが正義、な世界になっちゃうので。

わざわざ自分も一発殴られてその姿を周囲に見せることで、話し合いの余地はなくてあくまでこれは正当防衛だったということを証明してから拳で反撃してるのは、虹瑠的には意味のある行為だったんじゃないかな〜と思います。

自らの手でシメることで相手を反省させたりもしないで、あくまで時間稼ぎをしてその後の扱いは公的な組織である兵士たちに任せようと。
(加減ができないのでオーバーキルになっちゃってますけどね!)


どっちかっていうと、ブチ切れてるというよりも「この場は殴るしかないな…よし、殴ろう」って決めて感情スイッチをオフにして殴ってる感じだったのかもですね。
いやわかんないですけど…ちょっとくらいは怒ってたかも…
どうなんですかね。本当のところを聞いてみたいです。

◆◆◆

……長いな!
ここにきて、ずっとやってなかった主人公トークをやってるから仕方ないな!!


もうちょっと続きます。
「傷を負っていた虹瑠を逃して、炎に巻かれて死んでしまった友人」は、特に隠すつもりがないのではっきり言ってしまうと、世麓のことです。

・現代で再会しているメンバーの中で、世麓が一番最初に死んだ
・虹瑠が、世麓の死に責任を感じている


このあたりがヒントなんですが、語られたのがあまりに大昔なのでわかりにくかったかもしれません。
ここの回想シーンも「思い切って顔まで描いてしまえばよかったんや…!」と後から思いました。

友人は世麓

世麓は、1章メインキャラで唯一うたむげの中に名前が出てこないんですが、密かに他の章とのつながりの鍵となるポジションなのです。

レインザおじさんの学友・ノックスさんは、世麓の取引相手ですしね!

うたむげ6話のノックスさん

ノックスさんの詳細は「楽園に還れ」3話 と、「幻影に望め」1話 あたりをご覧ください。
さりげなく何度か出てきているお医者さんです。

ちなみに、なんども留年しているのでレインザおじさんよりちょっと年上らしいです。
グラハムテーザは、入学するのはもちろん単位をとって進学&卒業する難易度も高い学院なので。


虹瑠が北方から東方に左遷されてきて、世麓たちと出会って、そこから火をつけるまでに至った過程にも、ものすご〜〜〜〜〜〜く色々あったんですけど。
(概略プロットの段階では入れるつもりだったんですけど)
うたむげ内でそこを描いてしまうと主題から逸れそうなので、虹瑠ミーツ世麓のエピソードと叡謝祭の火災に関しては丸々カットしました。

このあたりのエピソードの扱いは前々から悩んでいます。
どこまで描くかの判断が…難しいんです…

そこがメインの物語じゃないので&掘り下げすぎるとジャンルが別物になってしまうのでさらっといきたいんですけど、1章のラストで思わせぶりな会話をさせてしまったがゆえに「いや、ここまで言っといて回収しないわけにいかないのでは?」と苦しむ羽目になりました。

思わせぶり

↑↑↑ここ!ここです!!!
ここで未来の自分に丸投げをしたから…!『組織』ってなんだよ!?(逆ギレ)

勿体ぶってぼかすような表現をしたら、エピソードとして描く必然性が出てくるんですよ?!!?!
こういう言い方したあとで2章に突入してあんな風に終わると、てっきり「レジスタンス的な組織が発足したのかな?」って思っちゃうじゃないですかー!

2章の「永遠に続け」が完結した時点で、この後で星亜が慧畄瑳や虹瑠たちと手を組んで革命的な行動をとるのかな?ってコメントをくださった方もいらして、そうだな〜そういう話に見えちゃうよな〜って思いました。
自分が読み手側だったとしても、そう思うかもしれないなと。

ごめんなさい。実は……そういう話じゃなかったんです……
正直なところ、これは自分の演出ミスだと思います。

初期の段階では、革命的な要素が出てくる案がないわけでもなかったので、そういうどっちつかずな迷いがネームに出てしまったのもあるかもですね。
らくえれ最終話を描いた頃、まだ長編を描きはじめて2年目でしたし。

◆◆◆

そろそろ後半にさしかかってきたので言っちゃうんですけど、2章とこづけは意図的に「秩序・悪」と「混沌・善」が対立する構造…かつて(80〜90年代頃?に)あった王道的な物語の敵対構造(?)に寄せていたところがありました。

4章うたむげは、そこに対する対立命題みたいな章なので。
『王国』という存在が「問答無用で倒すべき悪!こいつさえ倒せば万事解決!」みたいなわかりやすいポジションじゃなかったというのは描写しておきたかったのでした。

『王国』にもダメダメなところはいっぱいあったんですけど、その中のいくつかは構造上の問題で生まれてしまったところがあって。
(中には実際に裁かれるようなことをやってた人もいたので、そこはまあ裁かれとけって感じなんですけど)
ここまで続いてきたのには理由もあるので、ぶっ壊れたらぶっ壊れたで大変なことになるんやなと…。

カタストロフィが起こる前になんとか方向転換できたらよかったのかもしれないですけど…
崩壊、しちゃいましたからね。

もう後戻りできないとこまできてしまったので、今生きてる人々が現状をどうにかしないといかんのです。


恐ろしい話なんですけど、うたむげで描いてる内容って本来はぜんぶ3章でやるつもりだったんですよね。
無茶だよこんな…3章だけで何百ページ使うの?!!!

もういっそ、最初から「虹瑠編」「釐於子編」「翊羅編」で「3篇同時スタート!どこからでも読めます!」にして、幻影で合流して物語がひとつになりますな感じで再構成したい気分です…が、それも今言ってもはじまらないことなので。
最初はここまで先の流れは具体的に見えてなかったので……仕方なかったんだ……。

もう後戻りできないとこまできてしまったので、今描いてる自分が現状をどうにかしないといかんのです。
(※これは自虐です)

◆◆◆

本題に戻ります。
シリーズ第1章「楽園に還れ」、そして第3章「幻影に望め」は、「虹瑠」の記憶を持つ少年視点の物語です。

うたむげ5〜6話目は「楽園に〜」とリンクする内容が特に多く、そちらを読んでないとちょっとピンとこない点もあるかもしれません。
他の章はWebからでも読めますので、未読の方はよかったらご覧ください!

読めるところは色々ありますので、お好きなところでひとつ。
サイトのコミックページ
Pixiv
Twitter

あと、なんだかんだシリーズ全体の把握には同人誌版の総集編2冊を読んでいただくのが一番早いと思うので、リンクを紹介しておきます。
BOOTHで通販をやっていますので、興味のある方はこちらからどうぞ!
PaperStage Online



「泡沫に〜」は次回で最終話なんですけど、6話目のヒキから分かる通り、虹瑠がのこしていったものが鍵になってるんですよね。
なので、虹瑠がどういう人物で、なにを考えてきたのかなあというのを今更ながらおさらいしてたりします。

たぶん、最終話では抽象的な話もたくさんすると思います。
会話が多い回ってなにげに罠が多くて、油断すると、虹瑠じゃなくて描き手である自分の考えてることを言わせてしまいそうになるかもしれない。
個人的にそれは避けたいところで、あくまでこの世界に生きた人々の想いと願いを描写していきたいなと。

創作物って残酷なまでに作者の中身がうつしだされてしまうところがあると思うんですけど、それはあくまで結果であってほしいんですよね。
なんていえばいいんでしょうか…
作品全体を通して自分の中にあるものを表現することと、登場人物を自分の主張を代弁させる道具にしてしまうこととは、自分の中でちょっと…いや明確に違うんです。

(いやもちろん、ひとの思考なんてある程度限りがあるので、どこかでキャラの主張と自分のそれが被ってしまうこともあるとは思うんですが。そもそも自分が生み出しているものだし。)
(でもそこで「主張を言わせてしまうこと」をゴールにはしたくない…というか…?)
(一歩間違えると誤解を招きそうな表現だけど、これ伝わるだろうか??)


この作品はどこまでも、この世界に生きた、翊羅と虹瑠と粲歌、そしてノルテたちの物語。
それを忘れないようにしつつ、最終話のイメージを膨らませていきたいです。

ふせったーに書いていた内容もブログでサルベージしておきたかったんですが、キリがないのでいったんここまで!




 
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「泡沫に紡げ」6話目完結しました!

「泡沫に紡げ」第6話 〜泡沫の日々〜
完結しました!!!!


ついにサブタイトルに章のキーワードがでてきました。
色々語りたいことはあるのですが、まずは更新のご報告&誘導をしておきます〜。
野暮なことをいろいろと言う前に「読んでください!」という感じの話です。

翊羅うたむげ6話

サイトのコミックページはこちらから
Comicページ | 泡沫に紡げ 6話目

取り急ぎ、Pixiv & マンガハックでも公開していますので、投稿サイトで読む派の方はそちらをどうぞ!
ルーキーはちょっとお待ちください。


ついでにオフラインページも更新しておきました。
12月の関東コミティアで、同人誌版の「泡沫に紡げ」3巻を出せたらいいなと思っています。

5話目を振り返って語るブログも実は途中まで書いていたんですが、虹瑠について書いていたら長くなりすぎて、収拾がつかなくなってそのまま途中保存していたら6話目が終わってしまいました。
ひどいな…!
そのパターン、多いんですよね…(途中から暴走して止まらなくなる)

更新履歴を見た感じだと5話目をサイトで公開したのが1/21だったようなんですけど、6話の公開までには半年くらいかかってしまいましたね…
うう…腰痛さえなければ…!

いやでも、腰痛は6月下旬あたりからちょっとマシになってきてるんですよ!!
もうこのまま治らないんじゃないかな…ってヤケクソになりかけていましたが、なんか治りそうな気がしてきた!
引き続き、毎日ストレッチがんばります。
ストレッチを続けていたらなぜかおなかの調子もよくなりました。


えっとですね…
なんか…なんか…6話目の最後の方を描いてる時は色々と考えていたはずなんですけど…
頭の中が真っ白になってしまっていてなにも出てきません。
腰はやばかったけど公開できてよかったな〜という気持ちと…読んでもらえたら嬉しいなという気持ちと…

そして……
うたむげ…お前、終わるのか……という気持ち………

終わるのかあ…
そうか…
終わるのかあ〜〜〜〜〜〜〜〜……

自分の中ではめちゃくちゃハッピーエンドになる(といいな)予定なんですけど、あと1話でこれ収拾つけるの無理じゃない?!と冷静なもう一人の自分がツッコミを入れてきます。
最終話が前中後編にわかれて100ページ近く続いていたら笑ってください。
とこづけの時も結果的にそうなっちゃいましたけど、1年ずっと最終話を描いてました!とか普通にありえそうで怖いんですよね。

ノルテちゃんの問題も、ここまで丸々手付かずですしね。
これまでに描いた漫画の中で最難関のネームになりそうです。
やるしかないので、やるしかないんだ…!

これが最後まで描けたら、らくえれシリーズの最終章も描けるような気がする。


6話完結ケーキ

お祝いと、完結まであとちょっとだよ!の景気付けにケーキを買ってきました。
ライチのムースです。
さっぱりスッキリな夏向けの味でした。


八景島ソフトクリーム

そしてこれは、先月八景島シーパラダイスへいった時に食べたソフトクリーム。
大昔に食べた練乳っぽい味のソフトクリームが好きなんだけど、どこで食べられるんだろう…って思いつつ数年間探し求めていた理想のソフトクリームでした。

あれは…なんていうんだろう…??



しばらくは体のメンテをしつつ、最終話に備えて準備をしていきたいと思います。
ラスト十数ページを仕上げていた数週間は、ずっと頭の中がテンパっていてあらゆることを落ち着いて考えることができない感じになっていたので、まずは私生活も含めて仕切り直しですかね!

ご感想など、なにかありましたら感想フォームから気軽に一言いただけたらとっても嬉しいです。

(すでにフォームから送ってくださった方、どうもありがとうございます!!!)


うたむげ4話目を振り返って

ずっとブログを書こう書こうと思いつつタイミングを逃していたのですが、今がチャンスでは?と思い立ち。
前回、本編に関する記事を書いたのっていつだっけ?と過去ログを掘り返してみたら2022年6月でした。

は…半年前かあ…!!!
4話目の折り返し地点かあ…!!!!!


もう5話目も後半戦に突入しちゃいましたよ… 甫豆回も死んじゃったし…(小声)

コロナのせいで2ヶ月ほど時空が歪んだのでまだ10月くらいの感覚なんですけど、もう12月なんですね。
もうちょっとで今年が終わってしまうところでした。

ここまで予定が延び延びになると、いっそやりそびれたことを全部放り投げて白紙にしてしまったほうが早かったりするんですが、それがあまりできない性格なので…
今更ですが、4話目 〜おわりのはじまり〜 についてちょっとだけ語らせてください。

Comicページ | 泡沫に紡げ 4話目

うたむげ4-4-1
4話目は、現代の時間軸ではノルテが自分たちと同じような『覚醒』者が他にもいることを知り

うたむげ4-4-2

過去の時間軸ではベビーだった粲歌がスクスクと成長して大暴れ…もといモリモリ食事をするようになり

うたむげ4-4-3

ドタバタな日常の裏側では暴動が起きたり、増えすぎた死体をどうするか甫豆回がレクチャーしたり、難民を受け入れたことで不和が広がったり…と崩壊へのカウントダウンがはじまっていました。

うたむげ4-4-4

そして、新しい生き物であるがゆえに動物たちと自分との間に垣根を設けていない粲歌の発言がきっかけで、ついに翊羅たちは自分たちを待ち受ける「死」の可能性に気づきます。

完結してからしばらく経った後で、4話目はメメント・モリ回だったと言ってもらって「そうか…メメント・モリか…」と妙に納得しました。


更新時のツイートを貼ってみます。
「人々は『死』という現象があることは認識してるけど、ずっと他人事だった」
これに尽きるのかなと思います。

ちなみに、この世界の人間の肉体ですが、死んだ後は普通に腐って土に還ります。
…が、そのことはほぼ誰も知りません。
異例の事態で大量に死者が出て、遺体を焼いたり埋葬したりする説明を聞かなければ、薬師である翊羅ですら知らないままでした。
(例外として、人体について独自に調べていた星亜はヒトが死ぬと「どう」なるのかを知っていました。釐於子を土に埋めたのも、そのためです。)

それゆえに、実際に遺体を目にした時の衝撃はものすごく大きかったと思うんですよね。
ただ同時に「自分も死ぬかもしれない」という可能性がこれまで頭の中になさすぎて、現実として受け入れられずに思考回路がどこかで止まってしまっている…みたいなところはあるのかもです。


そして、わりと重要なことなんですが、この世界…『王国』には霊や魂といった概念がありません。

うたむげ4-4-5

それゆえに「死者を弔う」「魂を眠りにつかせる」という発想にもいたっておらず、死者を弔うための特別な儀式というものも存在しなかったりします。
死者を弔うための儀式というものが存在しないため、物質的にどうにかする…という意味で「処理」という表現になってしまったんでしょうね…

翊羅たちが「死」という絶対的なおわりの瞬間に向き合っていくのは、ここからが「はじまり」になる。
そういう意味も込めての、4話目のサブタイトルでした。

◆◆◆

ついでに「食事」事情に関するツイートも貼っておきます。


といいますか、つぶやいたことを忘れて普通にブログに書きそうになっていました。
最近はなんでもかんでもすぐ忘れちゃうので、油断すると同じことを5回くらい言ってそうでだいぶ危ないです。


新しく生を受けたこどもたちは、食べることもその他諸々の生理現象も「最初からそこにあった」ものなので、おそらくそこまで嫌悪感を抱いていないんですよね。
ご感想内で「これからの子供」と「今までの大人」という表現をしていただいて、すごくしっくりきました。

おとなたちがあれだけ拒否していた肉を体内に入れることに対して、粲歌は躊躇がありません。
むしろ「草だけ食べた時よりも元気が出る!」ということを本能的に察して、進んでモリモリ食べています。
それも彼女が「新しい生き物」だということの象徴なのかもしれません。

残念ながら複雑な味のするものを摂取する習慣がなく、味覚もあまり発達していないので「おいしい」という概念はまだないようです。
食の楽しみがあれば日常ももうすこし気持ちが明るくなりそうなんですが…
味わうことを楽しめるようになるのはまだまだ先のような気がしますね。
(粲歌たちよりもうちょっと後の、新生代の「こども」たちはワンチャンあるかも?)


もともと、この世界の家畜は羊とかヤギとか馬とかがメインだったんですが、この頃からもしかしたら家禽も育てはじめたかもしれませんね。
牛っぽい動物を捕まえて増やそうとした街もあるかもしれません。
(現代と食べる量が違うとはいえ)食材の確保問題もむずかしいので、水面下ではいろいろと起きていたことでしょう。

このあたりの「変化」については作中でかなりハイスピードで進んでいってるので、もうちょっとじっくり描写してもよかったのかもしれませんが…
あまり深入りしすぎると何のジャンルなのかわからなくなってきそうなので、巻きでいきます!な感じでひとつ、お願いします。

◆◆◆

最後に、ひとつ補足というか言い訳というか、誤解を招きそうなとこだけ先に説明させてください〜。


Webではまだ公開してない内容なので(※今の所同人誌オンリーです)そんなに気にしなくてもいいかな…?とも思ったんですが、思わせぶりすぎて紛らわしかったので!

依守弥もかつては紫牙郡に在籍してたことがあったはずなんですが、その際にこっそり「石化」の魔法を上司から教えてもらっています。(※違法です)
甫豆回も石化の「魔法」を使えるので、「もしや…」ってミスリードを招いてしまうかもしれないなと気づきました。
依守弥の上司とは別人ですよ!というのをあらかじめお伝えしておきたく…!

『王国』には各地に死体処理班みたいなのがいて、それに関わってる偉い人は石化を使えるのでした。
未来の自分にパスしとこ!って思って思わせぶりなセリフを言わせて、あとからフォローに苦戦すること…よくあります…


以上、4話目に関する記事でした!
5話目は5話目ではちゃめちゃに言いたいことがいっぱいあるので、またそのうち書きに来るかもしれません。
今週末から公開していく内容が内容なので、若干不安なのですが…よ、よろしくお願いします。

 




「泡沫に紡げ」4話目開始とリアル牧場

GWですね!
ちょっとお疲れモードの記事が上の方にあったので、ご心配おかけしてすみません。
あれからだいぶ休んだのでかなり回復しました!

感想フォームからメッセージを送ってくださった方、どうもありがとうございました!
ジャンプルーキーの方からきてくれてお気遣いくださった方も、あたたかいお言葉が嬉しかったです。
辺境の地ですが、本拠地的な感じでたまに更新しているので気が向いた時にでも覗きにきてください。
ひとつ前の別記事に、最近いただいたコメントへのお返事を書いています。

というわけで、「泡沫に紡げ」4話目の公開をはじめました。

このお話は(一応)全7話の予定なので、予定通りに進めばここで折り返しになるんじゃないかな…?と思います。
これまでの経験上、最後の方が伸びるのでどうなるかわからないんですけど…!

更新を再開したのでTwitterも復活しています、最新話はちょっとずつ公開していきますのでお気軽にフォローどうぞ!
1話分が溜まったら、またあちこちでまとめ読みできるようにしますね。


…そう、実はジャンプルーキーでも漫画を公開してみたんです。
自分の描いている漫画はシリーズもので、完全に独立したひとつのお話というよりはそれぞれの視点を読むことでちょっとずつ全貌が見えてくるシナリオ開放型AVGのようなイメージで作っているので、ちょっとアウェーかもしれないなあ…と思いつつ恐る恐る投稿してみたのですが。
想像していた以上にあたたかいコメントをいただけて、とても嬉しかったです。

久しぶりに新しい場所に投稿してみて、まだまだたくさん課題があるなあというのも実感しました。
続きを描きつつ、いろいろな作品を見て「もうちょっとこうした方がいいかな〜」と感じたところは取り入れていきたいです。
漫画…奥が深いですね…

◆◆◆

そうそう。
「泡沫に紡げ」に出てくる虹瑠は牧場の羊飼いという設定なので、どこかでリアル牧場へ行きたいな…ということで、GWを利用して県内の牧場へ行ってきました!

ダチョウやヤギをはじめとした色んな動物を育てている牧場で、動物たちと距離の近いひとときを過ごすことができました。
できたら羊も見にいきたかったんですが、毛刈りのタイミングを逃してしまったんですよね。
(去年も、某牧場へ行ったらすでに毛を刈られた後でした…)
本当は子羊や子ヤギが生まれたばかりの時期に行きたいんですが、その時期は花粉が大量に飛んでいるのでもどかしいです。

というわけで、ばーっと写真をアップしていきます。


ダチョウです。黒いのがオスで茶色っぽいのがメスです。

牧場のダチョウ01

ダチョウ牧場だったので、とにかくダチョウの主張がすごかったです。
嘴でつつかれるとなかなか痛いです。

牧場のダチョウ02

虹瑠「これはヤギだよ!」

牧場のヤギ06

牧場内に生えている草をちぎってあげることができます。
わざわざ人間があげなくても食べ放題なんですけど、食べやすい草を差し出すと喜ぶようです。

牧場のヤギ02

子ヤギが二匹いて、兄弟仲良く走り回っていて元気でかわいかったです。

牧場のヤギ04

距離が…近い…!(紐をかじりたいようで、靴紐は両方ともほどかれました)

牧場のヤギ01

近い!近すぎる!全然逃げません、ひたすら距離が近いです。

牧場のヤギ05

走り回った後は日向でスヤスヤしていました。かわいい。

牧場のヤギ03

ウサギとチャボです。チャボは膝の上にも乗ります。

牧場のウサギ

これは、牧場のエミューとウコッケイの卵で作られたプリン。
エミュー卵プリンの方がもっちりしてて、ウコッケイ卵のプリンはかためでした。

牧場のプリン

口コミを見ながらワイルドな牧場だなあ…と思っていたんですが、想像以上にワイルドでした!
めっちゃリフレッシュできました。
そして、虹瑠の服装はあの垂れてる布がヤギに齧られるので牧場には向いてないんじゃないかなと思いました。(今更?!)

 

「泡沫に紡げ」3話目完結しました

ご無沙汰しておりました!
前回と前々回のブログがNEOKET開催直前のトラブルなんとか参加できそうだよ報告で(確か「取り急ぎサイトでご報告!」みたいな感じだったのでツイートしていなかったはず…)それ以降一度も更新していなかったんですね。

2/17追記って書こうとして2/27追記って書いてたので、ほんと焦ってたんだなあと思いました。

ご報告したいことが山積みで、どれから先に書こうかなあという感じなんですが、まずは一番重要なことから。
「泡沫に紡げ」第3話 〜変わる体、変わる心〜
完結しました!!!!



最終更新分をアップした時に意識が朦朧としていたせいか文章がわかりにくいんですが、次の4話目でこの章の折り返し地点にいく予定ですよ〜という意味です。
いえ、後半になるほどページ数が増える法則があるのでまだ断言できないんですけど…
シリーズものの最終話って、なぜか最初に考えてた3倍くらいに膨らんだりしますからね。


サイトのコミックページも更新しています!
一気読みしたい方はそちらからどうぞ〜。
Pixivへのアップはもうちょっとお待ちください。
2話目からずっと、扉絵にしたいカラーイラストが用意できてないんです…カラーイラストに時間かかりすぎ芸人ゆえ…

余談ですが、個人サイトはスマホからだと表示される情報を絞っているため、PC(というか広い画面で表示できるデバイス)からアクセスするとPixivなどへのリンクも出てきます。

PC&スマホ表示比較

この章がはじまってからずっと「ぜひ読んでください!」とは言いづらいような不穏な展開続きだったんですが、今回はわりと明るい感じの終わり方だった…のでは………ないでしょうか……………?(疑問形?)

いえ、道中は色々とありましたが…
当初予定していたのはもっと全体的にほのぼのした内容だったんですが、いやこの世界でそんなスムーズに新しい生き物が受け入れられるはずないな…ということで軌道修正しちゃったんですよね。
(ネームの悪戦苦闘っぷりがすごかったので、今度そこにも触れたいです)
でも、ラストだけは「ここで終わっておけば一見ハッピーエンドなのでは?」くらいの「よかったね!」感を目指していました。
2章のオーロラ回みたいなものです。


もちろん、解決したように見せてこれからが問題山積みなんですけどね。
ひとまず生命は助かったけど、赤子は放っておいて育つわけじゃないので、誰が育てるのか…
養育をする人はそれまでにしていた労働ができなくなるわけで、そこの補填はどうするのか…
「食料」もより必要になってくるし、社会制度の方も変えていかないといけないし、法整備もしなきゃだろうし、そこでまためちゃくちゃ揉めるでしょうし。

たまたま今回は母子ともになんとか無事に出産を終えることができたけど、これからも同じように100%理想の結果を望めるわけじゃない。
悲しいことですが、描写しきれていないところでどうしても悲劇は起こるだろうと思います。

あと、そもそも『中央』からはどういう指示が飛んでるのか?
従わないとまずいんじゃないの??勝手に「うちでは人間の仔を生かすことにしました」なんて判断しちゃって紫牙郡だいじょうぶ???みたいな問題もありますし。


そしてなにより、人類に起こる変化はこれで終わりじゃないので。
ご感想の中で「増えるということは、減るということ」って言っていただいたように、本当の試練はこれからなのかもしれません。

2話目と3話目はいわば「新世代爆誕編」みたいな感じだったのですが、これでひとつの区切りがついたので次のフェーズにうつります。
4話目〜5話目が、またひとつの大きなまとまりになる予定…です!

「泡沫に〜」は全7話分かなり細かくプロットまで作ってあるんですけど、今回みたいに一度立てたプロットを構成からぶち壊して再編することがあるので…もうどうなるかわかりませんね…(遠い目)
あと、5話目が内容的にちょっと心配ですが、もうここまできたら覚悟を決めて描ききりたいと思います。


登場人物が増えてきてごちゃごちゃしてきたので、名前がよくわからなくなってきてしまった方はこちらをどうぞ。


封莎(フウサ)と駮埜(ハクヤ)は、このシリーズがはじまってから初の(たぶん)公式カップルです。

現代でいうところのいわゆる恋愛感情的なものが(まだ)存在しない世界観なのに加えて、うちの作風が作風なので、関係性としては淡白な描き方になってしまってるんですけど…
ちょっとずつ心身が変化してきた過渡期にくっついたふたりなので、お互いになんらかの好意は抱いてるんじゃないかなと思います。

駮埜、パートナーが心配でわざわざ様子を探りにきたり、ピリピリして虹瑠の発言にキレたりしてますしね。
嘘をつけない性格っぽいし…少なくとも悪い人ではないんじゃないかな?と。

たくさんかあ…(たくさんかあ…)

たくさんかあ

新世代の赤子ふたりにも、めでたく名前がつきました。

余談ですが、最後の更新分のシーンは、このシリーズの1章冒頭で「名前のない少年」だったユースクリフ少年が名付ける側になっていたというのがちょっとしたこだわりポイントだったのでした。
(そこに注目してくださった方もいらして、嬉しかったです!)

まろまゆちゃん詰め合わせ

粲歌(サンカ)は更新中にいろんな方から「まろまゆちゃん」と呼んでいただいてて、その愛称も気に入っていたのでちょっと名残惜しいです。
作中でまろ眉キャラなのは、マオラとこの子だけなんですよね。
ねこみみとしっぽは生えてないし、女の子なので同一人物じゃないような気はするんですが…?みたいなあやしい関係です。

◆◆◆

想定してたよりページ数が増えてしまって、気づけば昨年末からずっと描いていたのでは…?な3話目も、なんとか「次回に続く!」にこぎつけて折り返しポイントまで来ました。
ちょっと一回休んだ方が…とか色々迷いもあったんですが、3話目までは失速しないで定期更新するぞというのを最優先にしていたので、意地で描き切りました。

終わったから言えますが、ラスト3週分は年度末だったこともあって(私生活との両立が)わりとシャレにならないくらいキツかったです…!笑
4話目からはちょっとスピードをゆるめるかもしれません。
いつもそう言ってなかなか減速できずにいるような気もしますが。

なにより、ここ一ヶ月は色々とありましたしね…!
主にNEOKETなんですけどね…(あとmac購入まわりの話せば長くなる事故…)
イベントとはいえ、オンラインだし新刊を出してるわけでもないのでそこまで負荷は高くないだろうと思っていたのですが、まったくそんなことはなかった!!!
アプリにログインできなかったトラブルの影響が大きかったんですが、それを抜きにしても結構ギリギリで。
普通にフルタイムで働きつつ定期更新しつつイベントにまで参加してはいけないなというか、毎週コンスタントに作画するのってめちゃくちゃ大変なんだなって改めて思いました。
もうちょっと自分の限界を知りましょう、というのが反省点です。

あ、VRイベント体験はとても楽しかったし、申し込んだこと自体はよかったなーと思っています!
とにかくスケジュールが無茶過ぎたんですよね。
また改めて別記事でレポしたいです〜当日はちょこちょこつぶやくので精一杯だったので。
素敵なデジタル差し入れもいただいちゃいましたしね!
ぜひぜひ改めてご紹介したいです。


とにかくこの章は結構読むのに気合のいるお話なんじゃないかなと思いますので、ちょっと余裕がなくて最近の展開を追いきれてないんだよな〜という方は、気が向いたときにでもコミックページでまとめ読みしていただけたら嬉しいです。

感想フォームからの一言も、いつでもお待ちしておりますので!



「泡沫に紡げ」3話目前半まで公開しました

12月から、Twitter上で「泡沫に紡げ」3話目
〜変わる体、変わる心〜 の公開をはじめました。

なかなかブログに「公開スタートしたよ!」と書けないまま話が進んでいってしまいましたが、今は後半に差し掛かったところです。
サイトのコミックページに格納するのは、最後まで更新してからになります。


ジャンルが…変わってしまっている…?!
といわんばかりな冒頭でしたが、だんだんいつもの(?)不穏な感じになってきました。
フォロワーさんが「子を保護した次のミッションは母を救えなのか」ってコメントしてくださったんですが、なるほど言われてみれば確かにそんな感じの流れになるのかもですね!

母…母……
「母親」という概念があるのかどうかがまず怪しい世界ですが、そうですよね…
そういうことなんですよねえ…

ちなみに冒頭の子育て奮闘記な描写に関しては、悩みに悩んでだいぶ削ったんです。
初期案ではもっとページ数を使って、謎の生き物にどう接したらいいのか&どうやったら生かしていけるのか悪戦苦闘していたんですよね。
なにしろ同じ「ヒト」を育てるということ自体が未知の領域ですし、成長するという概念もないですし。

例のヤギミルクについても「どうやって飲ませよう?」とか…そもそも作中で悩むところを描写すべきか?どうする??みたいな。

哺乳容器

よくよく見ると、冒頭だとお匙でミルクを飲ませているんですが時間が経過した後では哺乳容器のようなものを持っていたりします。(気づいてくださった方、どうもありがとうございます…!)
回想シーンの合間で工芸職(原材料から生活に必要なものを作り出す職業の人)に相談して、ちょうどいい吸い口を作ってもらったのでした。
「いきなり哺乳容器を使い出すのはちょっと無茶じゃない?」ってなった経緯に関しては、前の記事で

預かりはじめた初期の頃はね……道具が…なかったのでね…

スプーンミルク

赤子は泣くことで快不快を表現している、というところにたどり着くまでにもそうとう試行錯誤がありそうですよね。
とりあえず「乳」を飲ませることが必要だということはわかっても、どのくらいが適量なのかもよくわからないし。
なんらかの理由で飲んでくれない時もあっただろうし。
使い捨てのおむつなんてないし、洗濯物がめちゃくちゃ増えるし、すぐに目を覚ますから誰かがつきっきりで様子を見てないといけないし、それに加えて通常の仕事もしないといけないし…ウワーッ!!!

世話をするのは3人(虹瑠&翊羅&おさげちゃん)で分担していたのでワンオペよりはかなりマシだったかなと思うのですが、ただひたすら「なにをどうすればいいんだ…?これでいいのか…間違ってるのか…??」な感じでパニックな日々だったんじゃないかなと。


兵士たちがやってきた頃には赤ちゃんの首が据わっていなかったので、まだ生後1〜2カ月目くらいだった感じでしょうかね。
後半になってからは、おんぶ紐を使えるようになったのでもうちょっと時間が経過しています。
寝返りもうてるかな?まだうてないのかな??
ざっくりこのシーンは●ヶ月目くらいかなというのは考えているんですが、成長には個人差もあるだろうし、あまり明言しない方がいいのかなとも思いつつ…

そろそろ離乳食チャレンジもはじまる頃なんですが、たぶんそのあたりもすったもんだあったんじゃないかなと。
なにしろ正解がわからないから、なにもかも手探りですよね。
「羊の仔は●ヶ月くらいしたら草を食べ始めるんだけど、人間はどうなんだろう…」みたいな!!!

まあ、あの時代のヒトたちは成体でも離乳食に近いような消化によいドロドロしたものを食べているので、そういう意味では安心なのかもしれません。
離乳食エピソードも頭の中では色々思い描いていたのですが尺の関係でカットしてしまいました。
過去エピソードは全般にわたってそのパターンが多いです。

色々調べてると、子育ての常識も時代と地域によってかなり違ってくるんだなという印象を受けました。
離乳食をはじめる時期とか、なにから食べさせるかとか、その他色々…
昔は大人が食べ物をかみ砕いて与えたりもしてたそうなんですが、今は親から虫歯菌がうつるのでそれはよくないよって言われてますもんね。
色々変化があるんだなあ…


◆◆◆

そして、こちらは自分用に用意しておいた資料です。


色々試してみて、数ページにわたって出てくる可能性のあるキャラや衣装はざっくりでいいからラフを用意しておいたほうがいいというのがわかりました。
あと、自分用の資料は紙で手元に置いておいた方が確認が断然楽!!!

なので、この手の簡易資料はプリントしてすぐ取り出せるところにおいています。


こちらの試作版も、作ってみて本当〜〜〜〜によかったです!
「あのシーンってどの部屋で会話してたっけ?」とか「あそこってどういう間取りになってたっけ?」とかがパラパラっとめくればすぐに調べられるので。
データってなにげに確認がめんどいんですよね。

5月には正規版を発行したいんですが、またちょっとイベント参加の雲行きが怪しくなってきてるのでどうなることやらですね〜

◆◆◆

最後に、ちょっとだけ余談です。

赤子を育てているうちにすっかり愛着が湧いてしまった(?)虹瑠は、突然乗り込んできた兵たちにも外敵排除本能みたいなものが働いてしまって、「この人たち信用できない!」って感じでフシャーってなって噛み付いてしまったわけなんですが。
実際のところこの赤子にとってどちらが幸せなのかは、兵たちが来た時点ではわからなかったんですよね。

病人でも怪我人でもない謎の生き物を施薬院で預かり続けることはイレギュラーな行為で、もしかしたら宮廷に預けたほうが専門の知識を持つ人に託すことができるのかもしれない。
他の郡でも似たような事例があったとのことだし、自分たちより詳しい人がどこかにいるかもしれない。
ヒトの生命にかかわることなので、感情で判断してはいけないというのがあって翊羅は迷っていました。

…が、赤子を連れ出すのにいまいち事情がわかってない兵士をよこしてきたことからも、正確にヒトの「仔」のことが理解されているとは思えず。
言われるがままに「じゃあよろしく!」って任せたらどんな目に合うかわからなかったので、虹瑠が世話をし続けるほうがよいだろう。
最終的には、そう判断したんじゃないかなと思うんです。


後になって、どうも宮廷としては新しい生き物を積極的に生かすつもりはなかったということがわかるので、結果的には施薬院で引き取ることにしてよかったんですが。
これはあくまで「結果的に」よかったという話で、果たして手放しで称賛できる選択なのか?というのは、正直ちょっと悩みました。

人間じゃなくても、生き物の生命(しかも未知の!)を預かるというのはそれだけで相当覚悟がいることです。
たまたまここまで育ててきて致命的なミスが起きなかっただけで、今後どうなるかわからないですし…
ある意味では無責任だととれなくもない行為なのに、肯定するような描き方をしていいのかどうか。

これが「目の前で人が殺されようとしています、助けますか?」みたいな選択肢だったら、いやまあそこは助けないと死んじゃうわけだし助けてもいいんじゃない?って思えるんですけど…
たまたま結果的に悪い方向に転がらなかっただけで、わりと際どい選択を連発しているなーと。


そういう流れが、とにかくこの後の展開でもものすごく多くてですね…!
「果たしてこいつのこの行動はどうなんだ…?」と頭を抱えっぱなしなんですが、最終的には登場人物がなにを選んだかを重視したいなというところに落ち着きました。

おそらく、この章全体が終始グレーゾーンな内容だから悩むというのもあるのかなあと思います。
なにが善いことでなにが悪いことなのかはっきりしてない、正解がない世界で試行錯誤していくお話なので。
そう…別に「正しい」はなしを描こうとしているわけではないんですよね。
ベストじゃないかもしれないけど最善になりそうな選択肢を迷いながらもなんとか選んで、そこに納得できるかどうかという姿を描き切ってあげたい。

この人だったらこの状況でどういう風に考えて、どういう行動をとるか。
結果としてわりと無茶をすることにもなるだろうし、もしかしたら「とんでもねえやつだ!」って思われるかもしれないけど、「善い」も「悪い」も描き手である自分からはできるだけ言わずに読んでくださった方の判断に委ねようかなと。
そういう方向でいこうかなと思います。


そもそも「仔」が生き延びて成長したからこそヒトが滅亡せずにいられたというのも、「現代」に生きてヒトの性質のことを知っている側の立場だからわかることですしね…
自分がこの時代に生きてたら、どういう風に考えただろうか?とつい考え込んでしまいます。

迷わなくてもいいところで迷いすぎな気もしますが、自分にとってやっぱり漫画を描くことはエンタメというより思考実験の場なのかもしれないです。

◆◆◆

全然「ちょっとだけ」じゃない!長くなりました。

色々あって翊羅の虹瑠に対する印象は、若干「こいつやべーやつだな」方面に傾いてきてるような気もするんですが。
危なっかしさを覚えつつも同時に少しずつ信頼も芽生えてきてるというか、そういうなんともいえない距離感が伝わってくれていたらよいなと思います。

続く後半戦もよろしくおねがいします。

進捗-2022-01-17

あ、今回に限ったことではないのですが、ブログを書く上でいくつかの文章はTwitterのつぶやきから再録(?)させてもらっています。

最近特に、フォローしている人すべてのツイートはTLに表示されない…というか容赦なく間引かれまくっているな??と気づくことが増えてきてまして。
こりゃきっと自分のつぶやきも次元の狭間に消えてるな!と思ったので、ブログを後から見れば重要そうな内容だけダイジェストでつまみ食いできるようにしておきたいのでした。

◆◆◆

〜次回 ブログ予告〜
NEOKETに受かったのでVRoidで売り子アバターを作ろうとしたら、MacのOSが対応してなくてさあ大変!
ウィンドウサイズを変更しようとすると画面が真っ白になる中、赤パーカーと金髪おかっぱ猫耳でマオラを作ることはできるのか…?

次回!「イベント名はNEOKETであってNEKOKETじゃないニャ」お楽しみに!



サークルカット一覧を見てると、めっちゃ周囲にケモミミサークルさん多くないですか???
Island D

やはり…これで特攻するしか………

誰かさん





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